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【レポート】2022年6月開催:お金の日イベント「金融教育について語ろう」座談会

更新日:6月22日

日本金融教育推進協会事務局です。

当協会では、日本の金融教育の基盤づくり・金融リテラシー向上への取り組みの一環として、毎月8日を「お金の日」と題して、お金についてさまざまなテーマに関するイベントを開催していくことになりました。


記念すべき第1回では、「金融教育について語ろう」をテーマに、代表理事の横川、副代表理事の岩井と鈴木、そして金融教育に興味がある学生のみなさんと座談会を開催しました。


<タイムライン>
1.オープニング
挨拶・本日の流れについて
2.日本金融教育推進協会について
3.座談会
4.お金の相談コーナー
5.クロージング

本レポートでは、座談会での内容を中心にご紹介します。


(1)これまでどんな金融教育を受けてきましたか?

世代や地域によって異なりますが、中学校時代に社会科の授業で株の体験をしたり、高校時代に消費者金融について、消費者センターの方による講話や家庭科の授業で少し学んだりしたことがあるという話になりました。その中で、「大学へ入学し、一人暮らしで部屋を借りるときに賃貸契約に関する知識がないことに危機感を感じ、そういった知識も高校時代のうちに知りたかった」という参加者もおりました。


また、アメリカに在住経験のある参加者からは「治安や州によっての違いもあるけれども、私がアメリカにいたときには直接お金に触れる機会がなく、金融教育を受けたことがなかった」という発言もあり、外国での金融教育事情についても貴重なお話を伺うことができました。

<まとめ>
今の学生世代では、学校で何かしらの金融教育を受けてきたという声があり、従来より少しずつは進んではいるものの、それでも実生活に必要なお金の知識や情報の提供など、まだまだ日本の金融教育は十分に進んでいないことがわかりました。

(2)お金のことを知りたいと思ったらまず何をしますか?

参加者の学生の多くがTwitterやネットニュースが情報源とのことで、TV、YouTube、Tiktokから情報を得るという機会は少ないようでした。昨今、金融教育について話題にはなっているけれども、なかなか触れる機会がないのと同時に、たくさんの情報があふれている現代において、「果たしてこの情報を信用していいか心配」という声やいわゆる「103万円の壁*」のことや年金(学生納付特例制度など)についても事前に知りたかったという声もありました。

<まとめ>
自分が大人になったときにどういう知識が必要か、どのぐらい貯金をすれば安心できるかを知りたいと感じている参加者が多いと感じました。その一方で、情報に関する信憑性に関する不安も感じているようです。
なお、当協会では信用できる金融教育サービス、承認などに付与する「金融教育認証制度」の策定に向けて現在検討を進めております。

*学生のアルバイト代に所得税がかからないボーダーラインで、その金額を超えると超えた分に対して学生本人に課税される。また、学生の親に対しても扶養する子どもの収入が103万円を超えると扶養控除が適用されなくなり、税負担が重くなる。


(3)友だちでお金のことに興味がある人はいますか?

参加者からは「いるけれども、自発的に興味を持って調べる人は少ないかも」という声や「全然話をしないし、アルバイト先でも特にしない」という声がありました。

<まとめ>
昔ほどではなくなってきましたが、日本ではお金に関する話がタブーな傾向にあるため、なかなか他の人にお金の話をする機会がないようです。身近でお金のことを相談したり情報交換ができるオープンな機会がもっとあることによって、自身の金銭感覚を養うことにもつながるのではないでしょうか。

(4)家計簿をつけていますか?

参加者からはおこづかい帳やシンプルな家計簿アプリでつけているとのことですが、レシートがたまってしまっていることがあったり、費用をどの項目に入れるか迷ってしまうことがあったりという声がありました。

<まとめ>
早い時期から自分のお金を管理するという意識があり、ぜひこの習慣を継続していっていただきたいなと思いました。また、横川より「大人になったときに役に立つので、高校生のうちから家計簿アプリをつけることをおすすめです」というアドバイスもあり、ぜひ自分に合った家計簿の使い方を見つけていってほしいです。

(5)その他

学校によっては家庭科自体の導入がない学校もあり、形式的には「資産形成」が学習指導要領に入り義務教育となったとされているが、その授業を受けることができない高校生も。その理由として、「金融教育が教えられない先生が多いため、なくなったと聞いた」と語っていました。横川いわく、教える先生方もきちんとした金融教育を受けていないため、教えることにハードルがあるという声も実際に多いということです。


また前述のアメリカに在住経験のある参加者から、アメリカの高校で先生が奨学金のシュミレーションサイトを紹介してくれたという話がありました。我が国でも日本学生支援機構が「進学資金シミュレーター」というウェブサイトを用意していますが、その存在を十分周知できていない面があります。先生方も進路指導の一環として責任をもってアドバイスができる状況とまではいっていっていませんが、コロナ禍の中で家計状況が大きく変わった家庭もあるので、今後奨学金を利用する生徒や学生が増えてくるかもしれません。その時に、「いくら借りることができて、毎月いくらを何年で返済すればいいか?」がシュミレーションできるウェブサイトなど、奨学金に関する情報の周知がより必要になってくると思われます。


[座談会の中から]

参加された学生さんの声から、「メディアと教育現場とのギャップ」を感じました。本年4月より、教育現場でも高校の家庭科や公共の授業の中で「資産形成」や「資産運用」に関する授業が始まりました。しかし、金融教育について指導ができる先生が限られており、「自分自身が学生時代に学んだことがなかったり、制度が複雑で知らないことが多かったり、授業の中で一体何を教えればいいの!?」と困っている先生方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


私自身も高校教員だったので、学習指導要領が改訂され、新しい学習内容が始まると、どのように指導するかは非常に頭を悩ませた経験があり、金融教育が本格的に始まった今まさに教育現場はそのような状況なのかなと感じ、現場の先生方の声も伺ってみたいと感じました。また、自分自身の経験に置き換えると、自分の年金のことや税金、社会保険のことなど、全部事務職員の方が手続をやってくださるので、いざ自分でやるとなったときにどの書類をどこへ提出すればいいかなど、いかに自分がお金や世の中のことについて無知だったということを思い知らされました。


金融教育を指導する教科の先生だけではなく、ぜひ1人でも多くの先生方に子どもたちのため、そして自分のためにも金融教育について学んで頂きたいなと思います。


今後も、開催イベントのレポートや金融教育に関する最新の情報をお伝えしていきますので、学生さんだけではなく、金融教育に興味のあるみなさんもぜひ参加してくださいね!


(文責:藤岡 希美 | 日本金融教育推進協会事務局)